ビリヤーニと4タイプのドライカレーの話
こんにちは、おっさんです。
ぼんやりとsmartnews眺めてたら見つけたGetNaviWebさんのニュース。
え? ビリヤーニってまだメジャーな料理じゃなかったのか、と思ったので思わず取りげてみます。
さて、この記事ではちゃんぽんとかパフェなども含めて4種類の“トレンド”が紹介されていますが、3つは無視します。4つ目に取り上げられているビリヤーニだけに触れるのが俺のジャスティス。
さて。
ビリヤーニの話
南インド・タミルナドゥ州の伝統的な製法をそのままに生かしたチキンビリヤニ。骨つき鶏の濃厚な旨味とスパイスの華やかな香りがインドの細長い米、バスマティ米にしっかり染み込んで極めて美味です。「ビリヤニ」とは、濃厚な旨味と華やかな香りのインドのごちそう。米、スパイス、カレーなどを炊き込むインドの国民食。提供する店が増加中です。炊き込みご飯とカレーに目がない日本人に絶対合うはず!
引用元記事でも紹介されているように、ビリヤニ(ビリヤーニ)は南インドからイラン、東南アジアまで広く食べられているカレー炊き込みご飯になります。
作り方は本来、専門鍋に、カレーソース(グレービー)と半分ほど茹でた米を交互に層になるように入れて炊き上げる、ダムと呼ばれる加熱調理法が特徴。層にするので、スパイスの色が移った層と、比較的米の色が残った層が出来て、盛り付けたときにまだら模様になるという面白い料理……なのですが、広く広まった料理だけに実のところこの定義に合わないビリヤーニも広く食べられています。
例えば生米から一緒に炊き上げると、プラオという別の料理になるのですが、南インドではプラオの用に調理したビリヤニがあるし、単色に混ぜ合わさったビリヤニも珍しくありません。
ま、作った人がこれはビリヤニ(プラオ)だといえばビリヤニ(プラオ)、ということのようです。
参考:日本ビリヤニ協会
ビリヤニとは - ビリヤニを国民食へ!日本ビリヤニ協会オフィシャルサイト Nippon Biriyani Association
※「作り方」の「生米(ヒンドゥー式)」のところなんて、そのまんまプラオです。
日本のドライカレーの話
さて、このビリヤニ、日本ではインド料理店やパキスタン料理店などで食べることが出来るわけですが、そこらの喫茶店でも似たような料理を食べることが出来ます。
それがドライカレー。これが実に不思議な料理でして、例えばGoogleさんに画像を見せてもらえるようにリクエストを投げますと……
一つ目と二つ目で全く別の見た目の料理が出てきてしまいます。
ざっくり言えば、カレーチャーハンやカレーピラフタイプのものと、キーマカレータイプのものに分かれるのですが、これらが全部日本ではドライカレーとして通用しているのです。例えば喫茶店で、あるいはファミレスでドライカレーを注文した場合、画像がないメニューだとどれが出てくるのかわからない、ある意味ギャンブルなメニューなのです。
日本で通用するドライカレーは大雑把に分けて4種類。
- カレーチャーハン
- カレーピラフ
- キーマカレー
- カレー炊き込みご飯(ビリヤーニやプラオはこれ)
※カレー漫画の代表作(だと個人的に思っている)『華麗なる食卓』で出てくる分類を参考にさせていただきました。
『華麗なる食卓』ではこのような現状になった理由についても考察されており、そもそも日本のドライカレーの発祥について、日本郵船の外国航路船「三島丸」の食堂で提供されていたキーマカレータイプのものがあること、それが街や家庭にひろまるにあたって、調理が簡単なチャーハンやピラフタイプになっていったのじゃないか、と説明されています。ま、カレーチャーハンなんて誰が思いついても良さそうなものですし、もともと別の料理として生まれた各タイプが名前から受ける印象で一緒くたに広まっていったってことかもしれませんね。
ちなみにこの「三島丸」の元祖ドライカレーですが、丸の内の洋食店「ポールスター 」で当時のレシピをできるだけ忠実に再現したという触れ込みのものを食べることが出来ます。興味がある方は是非。というかなんか書いていたら食べたくなってきた。こんど行ってこよう。
店名:ポールスター 住所:東京都千代田区丸の内1-4-5 三菱UFJ信託銀行本店ビル B1F https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13000164/